前歯の虫歯の治療

前歯の虫歯の治療

前歯は虫歯になった時、もっとも最初に気づく部分でもあります。

食事をしている時、とくに冷たいものを食べたり飲んだりした時に痛みを感じます。 また、冬場に外出していると冷たい空気があたってしみます。普段過ごしていて違和感を感じることも多く、 虫歯が気づきやすいという特徴があります。鏡と向き合った際に変色しているのを見ることもできるでしょう。

前歯の虫歯の治療

だからこそ、前歯の虫歯は早期発見・治療が求められるのです。

気づきやすい反面、前歯の虫歯は治療が厄介です。何しろ目立つだけに、治療と同時に治療後の見栄えも重要になります。 軽い虫歯ならレジンで詰め物をするだけでそれほど気になりませんが、削る範囲が広くなってしまった場合、 あるいは症状が酷く神経を抜かなければならなくなった場合には厄介です。クラウンで被せる必要が出てきますが、 周りの天然の歯との違いが目立ってしまうことが多いのです。

治療費の問題もあります。クラウンを被せる場合、保険が適用されるのはレジン前装クラウンのみ。 セラミックなど、より審美的に優れた素材を使用する場合は自費診療となります。 全額負担の高額な料金がかかってしまいます。

また、レジンを詰めただけの治療の場合、時間が経つと変色してしまうという問題もあります。

このように、前歯の虫歯は非常に厄介です。虫歯の予防はもちろんですが、 早めに対処することが何よりも重要になってきます。軽い症状の段階で治療できればその分負担も、 治療後の不満も少なくなります。気になる症状が見られたらできるだけ早く歯科医の診察を受けるようにしたいものです。

前歯がきれいなら奥歯は悪いままでいいのでしょうか?

いいえ、いけません。その理由は、簡単に言えば、「前歯は、アクセサリーじゃない。奥歯は、見えないから良いわけではない。」からです。

その理由を考えてみましょう。

前歯は、上の歯の裏側に下の歯が噛み合わさってできています。この噛む力は顎の筋肉が作り出すわけですが、この力は奥歯でしっかりと受け止めるからこそ、 前歯の負担が少なくなり、安定するのです。

もし、奥歯が高度な虫歯で噛めないでいたり、折れていたりしたり、もっと悪い場合には抜けたままになっていたりしたら、噛む力の負担はすべて前歯にかかります。

奥歯を放置していれば前歯が折れてしまうことも珍しくはありません。

だからこそ、歯科医院に行ったときに「奥歯は治さなくていいです。前歯だけやって下さい」とは言わないようにしたいものです。