前歯の虫歯とレジン

前歯の虫歯とレジン

前歯が虫歯になってしまった場合、痛みもさることながら目立ってしまうことが気になるものです。 それだけにできるだけ早く治療を行うことが望まれます。

前歯の虫歯の治療も他の部分と同様、虫歯の症状が軽い場合にはプラスティックのレジンを詰める充填治療が行われます。 負担が少ないうえに、保険が適用されるためもっとも手軽で便利な治療方法です。

前歯の虫歯とレジン

しかし、気になるのが見栄えです。前歯の治療の際にはできるだけ削る部分を少なくし、 審美的な面を注意しながら行われますが、それでも治療跡が目立ってしまうことがあります。 レジンは白いプラスティックなのでそれほど目立つものではありませんが、 それでも充填する範囲によっては傍目にわかりやすくなりますし、その分神経質になってしまいます。

また、レジンの治療にはいくつかの問題点もあります。まず、年数が経過すると変色してくること。 治療した部分だけが変色して目立つようになってしまうことがあります。 また、充填する際には唾液や血液をしっかりと除去しておく必要があります。昔は、主に大学病院ではラバーダム防湿という方法で行われました。 しかし、それを行った場合と、行わない場合の治療効果に差がないことから、今は保険治療からラバーダム防湿は姿を消しました。 ラバーダムはやってもやらなくてもいいそうです。(今は保険ではラバーダムができません。)

それから治療後のケア。しっかり研磨をしておかないと表面に歯垢が付きやすくなってしまい、 歯周病や歯肉炎にかかりやくなるというリスクも抱えています。

このように、もっとも一般的な前歯の治療法であるレジンですが、いくつか気になる点もあります。 治療の際には医師とよく相談しておきたいものです。

レジン充填の性能の変化

歯科材料は、ここ数十年間常に進歩してきました。レジン材料のメーカーで有名なのが「クラレ」「GC」「3M」です。レジン充填の性能というと

だいたい、2〜3年ごとに新製品が出てきます。 その陰で、その3年前にメーカーが「これは画期的!ここが凄い!」と宣伝していた製品が製造停止になり消えていきます。

大した進歩のない新製品競争のために開発費と膨大な宣伝広告費が使われ、新製品の使用法を学ぶために歯科医師向けに講習会が行われます。

新製品の度に「前よりも高性能だから」ということで値段が上がる歯科材料。それが年々膨らむ医療費と関係あるのか?ないのか?皆さんはどのように考えますか?